映画『アメリ』を紹介

映画

2001年公開、第74回アカデミー賞で5部門にノミネートされたフランスの映画『アメリ』を紹介します。

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あらすじ

まずはあらすじから。パリのモンマルトルに住むアメリは、小さい頃から学校に行かずに孤独の中で育ち、人とのコミュニケーションが苦手な女性だった。ある日、自宅で小さな古い箱を見つけたアメリは、それを持ち主に返そうとする。その過程で、周囲の人々にささやかな親切を施したり、意地悪な人間をこらしめたりするようになり、人を幸せにすることに喜びを見出すようになる。また彼女は、他人の証明写真を集めるという変わった趣味を持つ男性、ニノに恋心を抱くが、素直に伝えることができない。自分の殻を破ることができないアメリを周囲の人達が優しく励ます。

主演はオドレイ・トトゥです。この『アメリ』で映画俳優として一気に有名になりました。この映画のあと、『ダ・ヴィンチ・コード』などにも出演してますね。

ちなみに冒頭でアメリやその他の登場人物の「好きなこと」と「嫌いなこと」が紹介されるのですが、これがまた絶妙に「あるある」と共感できることばかりなんです。アメリの好きなものとして「クレーム・ブリュレの上のカラメルを割る」ということが挙げられているのですが、この映画をキッカケに日本でクレーム・ブリュレがメジャーになったそうです。

全てが「愛おしい」映画

この映画の魅力を一言で言うと「愛おしい」ですね。もう何から何まで「愛おしい」んです。まず登場人物がみんなどこか欠点を抱えている人ばかりなんですね。主人公のアメリは内気で不器用でコミュニケーションが苦手、アメリの母は過剰に神経質で、父も過剰に臆病です。さらには骨が脆いために外に出られない老人、片腕がない青年など、身体が不自由な人達も出てきます。そんな傷つきやすい人達が健気に、小さな幸せを大切に抱えながら生きているのを観ると、なんだかこちらまで幸せな気分になってきます。そして何よりアメリと、アメリが思いを寄せるニノの関係がもどかしいんだけど、たまらなく愛おしいんです。不器用な二人の恋の行方を温かい気持ちで見守りたくなります。『アメリ』が日本で公開されたときのキャッチコピーは「幸せになる」だったそうですが、幸せになってほしいと思わずにはいられない登場人物ばかりです。

映像も音楽も可愛い

「愛おしい」のは登場人物だけではありません。『アメリ』の映像は全編にわたって愛おしいんです。舞台はパリのモンマルトル。その風景がすでに可愛いのですが、監督のジャン=ピエール・ジュネの独特の色使い、特に赤と緑を強調した映像によってさらに印象的になっています。アメリには妄想癖がありますが、映画の中では現実の世界にアメリの妄想が入り交じることによってメルヘンチックな世界観が作られています。

また音楽が最高に可愛いんです。ヤン・ティルセンというフランスの作曲家が音楽を担当しているのですが、ピアノやアコーディオンの優しい音色がなんともノスタルジックな雰囲気を醸し出していて、この『アメリ』の世界観にピッタリとハマっています。

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