映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を紹介

映画

2001年公開の映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を紹介します。

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、元はニューヨークのオフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルです。まずはあらすじから。

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あらすじ

ベルリンの壁崩壊以前、共産主義体制下の東ドイツで生まれた青年、ハンセルは、アメリカ軍人のルーサーと出会い、恋に落ちる。ルーサーと結婚してアメリカに渡るために名前をヘドウィグに変え、性別適合手術を受けるハンセル。しかし、手術の失敗で、股間に男性の部分が1インチ残ってしまう。アメリカに渡ってから間もなくルーサーに別れを告げられたヘドウィグはロック歌手として活動しながら、17歳の少年トミーと出会う。ヘドウィグはトミーにロックの精神を叩き込み、二人は愛し合うが、あるとき手術の痕がバレて別れてしまう。その後ロックスターになったトミーの全米コンサートを追いかけながら、ヘドウィグは自分のバンド「アングリーインチ」のライブに出演する。

主人公はトランスジェンダー

ということで主人公のヘドウィグは男性として生まれ、性別適合手術を受けたトランスジェンダー、つまり性的マイノリティーです。ちょっと特殊な立ち位置の主人公なのですが、誰でも感情移入できる素晴らしい作品なんです。まずヘドウィグの人生がとにかく波乱に満ちています。男性の身体に生まれて、手術で女性になろうとしたけど、結局は男性の部分が1インチ残ってしまった、というところで自分の性的なアイデンティティについて悩み苦しみます。男性でも女性でもないとすれば自分は何なのか、どうやって片割れを探せばいいのか、愛を探せばいいのか。ヘドウィグのこの孤独と、そして愛されたいという願望は誰でも共感できるところだと思います。

歌が最高!

そしてこの映画の最大の見どころは歌ですね。歌がとにかく良い。ロック好きにはたまらいないです。特にプラトンの「愛の起源」という主張を元にした「The Origin of Love」は名曲なので、この歌だけでも聞いてほしいですね。監督と主演を務めるジョン・キャメロン・ミッチェル氏、この人が舞台版の原作も書いてヘドウィグも演じていたんですが、自身が同性愛者であることを公言してます。このジョン・キャメロン・ミッチェルの歌、ヘドウィグの歌はまさに魂の叫びといった感じでどの曲も心を揺さぶられます。男とか女とか、そんなのどうでもよくなるくらいパワフルです。

またもう一つ注目してほしいのがトミー役のマイケル・ピットです。純真無垢な17歳の少年の顔と、同性も異性も全ての人を虜にする妖艶なロックスターの顔、その両方演じられる、とんでもないポテンシャルの持ち主です。『ファニーゲーム U.S.A.』や『ゴースト・イン・ザ・シェル』にも出演していますが、是非、注目してほしい俳優さんですね。

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