映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を紹介

映画

1984年公開の映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を紹介します。

1984年といえば、この『ビューティフル・ドリーマー』と『風の谷のナウシカ』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』が公開され、現在のアニメ文化に繋がる大きな流れが生まれた年ですね。

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あらすじ

ではまず、あらすじの紹介です。荒廃した友引町。廃墟と化した友引高校のグラウンドには水がたまり、大きな池になっていた。そのほとりでラムや諸星あたる達は日光浴をしていた。なぜ友引町は荒廃してしまったのか。時は友引高校の学園祭の前日に遡る。生徒達は翌日に控えた学園祭の準備のため、連日、学校に泊まり込んで準備に追われていた。諸星あたると面堂終太郎は夜食の買い出しのために街へ出かけると、人通りはなく、街の灯りも消え、なぜか夜遅くにチンドン屋と白い服の少女が交差点を歩いていた。そして夜が明け、また学園祭の準備を続けるあたる達。そんな中、あたるやラム達の所属する2年4組の担任、温泉マークだけが、とある異変に気づいていた。

さて、ここから少しだけネタバレです。

温泉マークは以前から感じていた違和感をサクラに話す。その違和感とは、学園祭の前日をずっと繰り返しているのではないか、という疑念であった。そしてやがてサクラも、世界が同じ一日を繰り返していると確信する。

「ループもの」アニメの元祖、押井守の原点

監督と脚本は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『イノセンス』で世界的に有名なクリエイター、押井守さんです。原作にはないオリジナルのストーリーですが、この映画を一言で言うと、人気ラブコメアニメの皮を被った本格SFです。この映画はいわゆる「ループもの」ですね。アニメにおける「ループもの」の元祖と言われています。SFというジャンルの中では過去に遡って同じ出来事を繰り返すという形式はもっと前からあったようですが、ラブコメアニメでいきなりこれをやったというのは当時としてはかなりの衝撃があったのではないかと思います。

また、押井守監督の原点とも言われています。押井監督は前作の『うる星やつら オンリー・ユー』で初めて長編アニメ映画の監督を務め、この『ビューティフル・ドリーマー』は2作目になります。このあと『機動警察パトレイバー』の劇場版を作り、さらに1995年の『攻殻機動隊』で世界的に有名になります。『ビューティフル・ドリーマー』のテーマとなる「虚構と現実」や、その映像的なセンスは『攻殻機動隊』や『イノセンス』にも通じるものがあります。

原作ファンには不評

しかしこの『ビューティフル・ドリーマー』は当時、『うる星やつら』の原作ファンからは否定的な評価も多かったようです。この作品と原作とではキャラクターの設定や性格が若干、違っていたり、原作はコミカルな雰囲気なのに、映画はシリアスな雰囲気になっていたりする点が原作ファンには受け入れられなかったのかもしれません。また、原作者の高橋留美子さんもこの作品にはあまり良い印象を抱いていなかったようです。

サクラ役の鷲尾真知子さん

さてこの『うる星やつら』の声優陣といえば、諸星あたる役の古川登志夫さん、面堂終太郎役の神谷明さん、藤波竜之介役の田中真弓さんなど、錚々たるメンバーですが、個人的に好きなのはサクラ役の鷲尾真知子さんです。2022年版のアニメ放送では沢城みゆきさんがサクラ役を演じていますが、鷲尾真知子さんのドスの利いた声のサクラもカッコいいんですよね。鷲尾さんはあまりアニメの声優をやらないんですが、このサクラはめちゃくちゃハマってます。

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