映画『ナイトクローラー』を紹介

映画

2014年公開、第87回アカデミー賞脚本賞にノミネートされた映画、『ナイトクローラー』を紹介します。

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あらすじ

まずはあらすじから。アメリカ西海岸のロサンゼルスでフェンスやマンホールを盗み、それを売ることで生計を立てている男、ルー・ブルームはあるとき、たまたま遭遇した自動車事故の現場で、事故の映像を撮影し、それをテレビ局に売り込むフリーランスのカメラマンに出会う。ルーはこのナイトクローラーと呼ばれるカメラマン達に憧れ、ビデオカメラと警察の無線受信機を手に入れると、早速、独学で事故現場の映像を撮り始める。彼はテレビ局のニュースディレクター、ニーナ・ロミナと契約し、夜な夜な現場に駆けつけて衝撃的な映像を撮ることに熱中する。やがて彼は自分のパートナー、リックを雇い、さらなるスクープを狙うようになる。しかし、彼は次第に倫理観や道徳心を失っていき、犯罪や事故に関与したり、映像を捏造したりするようになる。以上があらすじです。出演はジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ、リズ・アーメッド。

ジェイク・ギレンホールが怪演

まず注目すべきは主演のジェイク・ギレンホールですね。彼が演じるルイスという男は成功するためには手段を選ばない、ときには法に触れることも平然とやってしまう、そして少しでも邪魔だと思った人間は排除する、他人の命や気持ちには全く関心がないといういわゆるサイコパスなんですが、ジェイク・ギレンホールの目が完全にサイコパスの目なんですよね。この目に映画の最初から最後まで引き込まれてしまいます。ジェイクはこの役を演じるために体重を10キロ以上落としたそうです。顔がやつれて危ない目つきが強調されているように見えるんです。それだけでなく話し方から笑い方まで本当に不気味なんですよ。さらにジェイクはこのルーと同様に日中に眠って夜中に活動するという生活をして役に近づいていったそうです。

現代社会とマスメディア

この映画で脚本と監督を務めるダン・ギルロイはアカデミー賞の脚本賞にノミネートされるんですが、この『ナイトクローラー』は本当にいろんな角度から社会を皮肉っていますね。その一つがテレビの視聴率至上主義なんですけれども、視聴率のためなら何でもするというのはどの国も変わらないですよね。視聴率が低ければ儲からないですから。それにこの映画は2014年の公開なので、そこまで動画配信のための迷惑行為が問題になっていた時代ではないですが、再生回数を伸ばすためには何でもする動画配信者も同じですよね。社会の耳目を集めるためには過激なことをするのが一番の近道、手っ取り早くお金を稼ぐには犯罪スレスレの行為でもやるしかない。良心や思いやりなどは捨てなければ底辺から這い上がることはできない。そんなメッセージをこの映画は投げかけています。

そして映画の終わり方も観る人によってハッピーエンドといえるのか、バッドエンドといえるのか、変わってくると思います。なんとも言えない後味を残していきます。あなたはどう感じるでしょうか。

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